Infinite Corridor
無限回廊
立方体から、その中心を抜く。残された二十の欠片それぞれから、また中心を抜く。それを永遠に繰り返した先に、この回廊はある。いま見えているのは、途中経過にすぎない。
01 構造 / Structure
体積はゼロへ向かい、
表面積は無限へ向かう。
Menger, 1926
反復のたびに、立体は二十七分の二十へ痩せていく。同時に、削られた断面が露わになり、表面は九分の二十倍に膨らむ。無限回目に残るのは、厚みを持たない無限の壁だけだ。触れられるものは何も残らないのに、迷うことだけはできる。
体積(20/27)ⁿ → 0
表面積(20/9)ⁿ → ∞
次元2.7268
02 深度 / Distance
進むべき距離は、
いつも推定でしかない。
Sphere Tracing
この光景に面も頂点も存在しない。画素ごとに一本の光線が放たれ、「最も近い壁までの最短距離」を尋ね、その分だけ前進する。壁に近づくほど歩幅は縮み、決して到達しない。ここに描かれているのは形ではなく、形までの距離だ。
最大歩数96
収束閾値6.0e-4
捻れ0.05
03 光 / Light
影とは、光が諦めた
場所のことだ。
Occlusion
回廊の奥から届く一点の光は、折り重なった開口部を通過するたびに削られていく。届かなかった分だけが、影として輪郭を得る。明るさが構造を見せているのではない。届かなさが、構造を見せている。
色温度2400K → 7800K
減衰exp(−0.10 d)
04 終 / Return
出口は、入口と
同じ形をしている。
Self-Similar
自己相似とは、どこまで進んでも景色が更新されないという呪いであり、どこで止めても完成しているという赦しでもある。あなたが引き返した地点が、この回廊の唯一の端になる。
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